岡田光輝。

岡田くんじゃない。

…コウくんだ。

今の明るくてクラスのムードメーカーの岡田くんとは違う小さい頃のこうくんを思い出す。

引っ込み思案でいつもお母さんの後ろに隠れていた恥ずかしがり屋のコウくん。

「みんなで遊ぼう‼︎

ほら！あの丘に登るとね、星がすごいんだよ！」

幼い私がコウくんに呼びかける。

「ほら、コウ！みんなと遊んできなさい。」

コウくんのお母さんが優しく笑う。

小さい手を美咲と私で取り
コウくんを丘の上に連れて行く。

丘の上ではまーくんが笑いながら
手招きしていた。


そう。幼い美咲が男の子にいじめられている時も…。

「コウくん！
好きな子はちゃんと守ってあげないと。

コウくんは男の子でしょ！」

「…でもぉ！」

今にも泣き出しそうなコウくんに
呆れた私は駆け出す。

「みっちゃんは私が守るんだから！」