まだ生徒が数名残る放課後の教室。

部活は今日は本当に休みだ。

教室の窓から校庭を見ると
白石あいが鞄も持たず誰かを探すように
キョロキョロしている。

どうせ高田のことを探しているのだろう。

「ったく、あいつ何やってるんだよ。」

思わず笑いながら呟くと

「何見惚れてんだよ。

もういい加減、告っちゃえよ。」

「いいんだよ。おれは。

あいつが幸せなら。見守ってるだけで。

それに、俺はまーくんには勝てない。」

そう呟くと。

光輝が白石にむかって大きな声で

「白石さーん!初恋の人がうぉ‥!」

慌てて光輝の口を塞ぐ。

すると突然、教室のドアが開く勢いよく開く。

「ハァ、ハァ…くん!大変!あいが告白されちゃう!」

高田が息を切らしながら必死に伝えた。

白石の方を見ると

他のクラスの男子が近づいてきて

その男子の後ろをついていく。

「「どこで誰に?」」

光輝の声とシンクロする。

「駐輪場のとこ!!」

聞くと同時に身体が勝手に動いた。

駐輪場に向かって走り出す。