『君は、大人だな』

『そう?』

『僕なんかよりずっと、いい男だよ』

『ありがとう。雪花取られたけど』

『土下座します…』

『冗談だよ!やめて!先生も振られたんだから、おあいこってことで』

そう言って俺が笑うと、先生もつられて笑っていた。





それからはたまに連絡取ったり、時々会うようになっていた。

勉強を教えてもらったり、進路の話をしていたら、気づけば教育大学へ行きたいと考えるようになっていた。

雪花を奪ったのは許せないけれど、教師としては優秀で、本当に良い先生だと思った。