「また小川、本郷先生と一緒にいるじゃん。あ~やだやだ」

しーちゃんはそう言って口を尖らせる。

「…付き合ってるんじゃない」

小川先生が本郷先生の腕や背中にベタベタ触ってるのが見える。距離も近いし。

私にあんなこと言っといてこれよ。
学校であんなにベタベタしちゃって。
本当、調子がいいんだから。

結局…男は胸が大きいほうが好きなんじゃない。
どうせ私は胸なかったわよ!

本郷先生に対する怒りがふつふつと沸き上がる。


…って、

いやいやいや!
私にはもう関係ないんだった。

「そうなんかな~気になるし、もう直球で聞いちゃおっかな!“付き合ってるんですか”って。
雪花ちゃん、一緒に聞きに行かない?」

「興味なーい」


先生が小川先生と付き合っていようが、そうじゃなかろうがどうでもいい。

あんな勝手な人。

「それより、つぎの授業でわたし当たるんだよね。はやく食べて予習しない?」

「あ!私も当たるんだった!まだ全然見てないや。雪花ちゃん教えて~!」

「いいよ」