恋愛境界線


「元気だった?あれからはちゃんとご飯食べてる?」

珈琲が運ばれて2人の目の前に置かれたあと、今田さんは私にそう問いかける。

「心配しなくても食べてますよ」

「それはそうよね。ちゃんと本郷先生が管理してるわよね」

「…確かに、そうかもしれません」

そういえば隼人さん、よく私に”ちゃんとご飯を食べてるか”って確認してくるなあ。
よく考えてみると、あれからずっと”担当医”としてもいてくれてるんだよね。


「本当に愛されてるのね」

「…隼人さんはいいんですかね。私なんかで」

「何でそう思うの?」

「…本当に、素敵な人なんです。
私にはもったいないくらい。
職場にはあんなに綺麗な人がたくさん
いるのに、何にもない女子高生の私なんかと
付き合ってていいのかなって」

制服を着た今の姿で、私は自信を持って”彼女です”って言えなかった。

ううん、”制服”は言い訳。
うんと大人っぽい服を着て、完璧に化粧をしたって私は隼人さんの彼女だって自信を持って言えないと思う。

それは私が隼人さんと釣り合ってないって思ってるから?



それとも…

これ以上は考えないでおこう。