「秘めたまま終わってしまうくらいなら、
いっそのこと全部を伝えて、
"嫌いだ"と振られてしまうほうがすっぱり諦められると思った」




時々漏れる小さな深呼吸。





あとは私の心臓の音。


聞こえてしまっているんじゃないかと思うくらいに、大きく高鳴る。



「君が好きだ。
退院しても、俺のそばにいてくれないか。

君を…俺の無責任な行動や心ない言葉で、
泣かせたり傷つけたりはしないから」






優しくて、真っ直ぐな言葉。


この人が言うと、全部信じられるような気がする。

本当に、今の言葉通りにしてくれるんじゃないかって。


あんなふうに何度も泣いて、苦しい想いをしなくてもいいんじゃないかってーーー






「信じても、いいんですか…?」


「ああ。
もし、俺の言葉が嘘だと感じたときはいつでも突き放してくれていい」


そう言って"本郷先生"は笑った。



初めて笑った…
そんな風に優しく笑うのね。