南の島のかもめの恋



空は青々と澄み渡り、


潮風が吹き抜ける海の上。


その上に、ぽつりと浮かんでいるのは


小さな南の島。


大きくてもくもくした入道雲も、


耳を済ませば聞こえてくる波の音も、


まぶしいお日さまの光も、


全部誰かが描いた、小さな"世界"。


そこに、誰がいたのか、


誰が訪れていたのか、


それを知る人は、


もう、どこにもいませんでした。







終わり