南の島のかもめの恋



………………………………。


ここは、どこだろう。


ぼくは、どうなってしまったのだろう。


ん、どこかで聞き覚えのある声だ。


「か………………」


「……………も…………さん!」


「かもめさん!」


起き上がると、そこは南の島だった。


目の前にはヤパパがいる。


「良かったあ。かもめさん、


ずっとこの砂浜に倒れてて、


わたし心配しちゃったよ」


これは、夢?


「君、ヤパパかい?ここに戻ってきたのかい!?」


「急にどうしたの?わたしはヤパパだよ!


ずーっとこの島にいるよ!」


夢………じゃない。夢じゃないんだ。


「ねえ、かもめさん。今日もまた、


外の世界のお話、聞かせてよ」


君はいつものようににっこり笑っている。




良かった。ぼくは戻ってきたんだ。


また、あの日々に帰れる。


これからは、


ずっと君の隣にいられるんだね。






いつまでも、いつまでも、


一緒にいられるんだね。