「お姉ちゃん」
不意に話しかけられて、悠斗くんの腕がほどかれる。
ちょっと寂しいなと思ったりするけど、今は我慢だ。
「あ、香織ちゃん」
香織ちゃんは私のことをお姉ちゃんって呼んでる。
呼びたいんだって。
お母さん達が崩した私達姉妹の仲を深めたいって。
そんなこと思ってくれるのすごく嬉しかったし、妹が出来たことに最初は戸惑って嫌だなって思ったけど関わっていくうちにどんどんその気持ちも薄れだしたから。
今は姉妹っていうより友達みたいに仲良い。
最初はお姉様って言ってたんだよ?だけどそれは私が断った。
「お誕生日おめでとう。はい、これ」

