夏の空の空気を震わす、あの音。
わたしは、その花の下で、何かを叫んだ。
誰かの手を握って、泣きそうになりながら。

思い出すのは、それだけ。
満天の星空に浮かぶその花を、ふたり眺めている景色。
何度忘れても、思い出せるのはそれだけ。

あの夏だけ。