初めて、人を好きになった。

困っている人を見捨てられなくて、手を差し伸べてしまう。

そんな彼の優しさを知って、私は地味な眼鏡男子であるクラスメイトに恋をした。

我慢が出来なくなった私は、放課後の誰も居なくなった教室に彼、國井 晴一を呼び出した。

そして、今はそんな彼を目の前にしている。

震える手を無理矢理握り込んで深呼吸をして、思いの丈を吐き出す。


「ねぇ、國井。あたしと付き合ってよ」

「…え?いいですけど、どこにですか?」

「…こいつマジで言ってんの?」

私が好きになった地味な眼鏡男子のクラスメイトは、超がつくほどの鈍感男だった。