プルル...プルル...プルル...プルル...プルル...


5回鳴り終わったが真琴は出ない。



「ただ今電話に出ることができません。ピーという...」


スマホは虚しく1人で喋っている。


「出ないね...」


そう言ってののかはカバンにスマホを戻した。


普通だったら何度か電話をかけるのだが、真琴のことだ一回出なかったらもう出ない。


電源を切っているか、何かに夢中になりすぎて気付かないだろう。


というかなんで電源を切るのよ!


いつも疑問に思うのだが、何かに集中したいからなんてよくわからないことを言っていた。


「ったく...」


「どうする?迷子になってるってことだもんね、大丈夫かな...」


結衣は眉を下げとても心配そうな顔をした。


「どこ行ったのよ!こんなにみんなに心配かけて!」


「まあまあ花音、もう一回BLのフロアに戻ってみよ?」



「また階段で行くわけ?足フラフラなんだけど」


文句を言っている花音にののかは


「エレベーター混んでるから、ね?それに運動にもなるしさ」


と励ますように言った。