「あ、耳赤くなってる。大丈夫?」


ののかが心配そうに私を見ている。


「痛かったよぉ...あ」



と私がののかに甘えようとした時、ふと花音と目があった。



花音の瞳はは死んでいた。


何を見ているかも、何を考えているのかも全くわからない真っ黒な瞳。


その生気を失った瞳で私のことをじっと見つめている。



「あ、やっぱり痛くなかったな〜」


と急いで訂正し、花音に笑顔を向けた。


すると、そんな私を見て花音の目はやっと生き返った。


いや、なんだよあの目。


人間ってあんな死んだ目でるのかよ。


ああ、よかった合格して。


心からそう思った。


そして私は赤点は今後一切取らないと自分に誓った。


もう花音の怖い視線、死んだ目は見たくないから。