ソフィーが扉を開けると、中は広めのホールになっていた。庭に面した窓が大きく張り出しており、ソフィーの言った通り明かりの煌めく庭が一目で見渡せた。

「なんて綺麗なのかしら」

 ホールの中には小さめなテーブルがいくつか配置してあり、端の方にはぽつんと布をかけた背の高いものが置いてある。

「これは?」

「ハープでございます」

「見てもよろしいかしら」

「はい」

 ソフィーが布を取ると、現れたのは、隅々まで彫刻を施された一台の美しいハープだった。ローズもあまり楽器には詳しくないが、装飾だけでなく弦も立派なところをみれば、ただの飾りではなく実用的なものなのだろう。