身代わり令嬢に終わらない口づけを

「はい、お庭にランプをおいて灯りをともしてあります」

「まあ。公爵様のお屋敷では素敵な装飾をなされているのですね」

 ローズがいうと、ソフィー淡々と答えた。

「時々、こちらの離れにお客様が滞在される時などに、あのような飾り付けをいたします。でも」

 ふ、とソフィーは顔をあげて窓の外を見つめた。

「今夜はいつもよりも明かりの数が多いようです。きっと、奥様のお慰めになるように、とレオン様が増やしたのでしょう」

「……まあ」