鏡に映る自分の姿は、つくづくベアトリスに似ている。

 ぼんやりとその姿を見ていると、着替えの手伝いを終えたメイドたちが出て行き、代わりに今度はいくつもの皿を乗せたワゴンが運ばれてくる。

 その数は、見ていても見ていても終わらない。たまらずにローズは近くのメイドに声をかけた。


「あの……」

「なんでございましょう」

「こちらでは、いつも朝食はこんなに召し上がられるのですか?」

「いえ、こちらはレオン様が奥様に、と特別に作らせたものです」

 テーブルの上に乗せられた朝食は人並だ。問題は、それ以外に所狭しと置かれたワゴンだ。どれにも色とりどりの果物やお菓子が乗っている。


「こんなに……」

 呆れて見ていたローズは、給仕に促されて席に着く。一通りの食事を終えても、デザートの方までは、あまりの量の多さに手をつけきれない。