身代わり令嬢に終わらない口づけを

「踊っていただけますか? お嬢様」

 まるで宮廷のホールにいるように、レオンは気取って言った。虚をつかれたローズだが、まけじとスカートの裾を片手で引いて優雅に腰をおとす。

「許します」

「恐悦至極」

 そのやりとりを面白がって見ていた人々が、二人が手をとると大きな歓声をあげた。祭りは最高潮に達しようとしていた。そうして二人は、何曲も何曲も、夜が更けるまで踊り続けた。

  ☆

 踊りつかれたローズは、木にもたれて一休みすることにした。

「もういいのか?」

 隣で同じように木にもたれたレオンが言った。