身代わり令嬢に終わらない口づけを

「初めは、新しい楽師が練習でもしているのかと思った。たまたま耳にしたのだが、聞いたことがないほど優しい音色で……だから、最初のお前の印象と、重ならなかったのだ」

 言いづらそうに、レオンが言った。ローズは、そう言われて逆に、なんだか愉快な気分になる。
 

「そんなに私、険があるように見えましたか?」

「最初は、だぞ? 今はそうは思ってはいない」

「はい。わかっております」

 あせるレオンをローズがくすくすと笑っていると、ためらいがちにレオンが続けた。