身代わり令嬢に終わらない口づけを

 その後も、もう一度、もう一度とせがまれたレオンは何曲も吹いた。そうしてあたりが暗くなる頃、ようやく二人は子供達から解放された。

  ☆

「レオン様、だったのですね」

 二人で歩いて広場に向かいながら、ローズはちらりと隣を見上げた。レオンは難しい顔をして黙っている。だが、前を向いたレオンの耳が赤く火照っているのに、ローズは気づいていた。

「言ってくださればよかったのに。あのハープは私が弾いていると、ご存じだったのでしょう?」