身代わり令嬢に終わらない口づけを

(いいえ。明日のことはまた考えればいい。今はレオン様と一緒なのだから、この時間を大切にしよう)

 ローズは、笑顔のまま言った。

「はい。頼もしいです。それで、手紙は置いていらっしゃいましたか?」

 するとレオンは、にやりと笑った。

「何も置かずに来た」

「何も? それでは、エリックが心配するのではないですか?」


 今日は夜が遅くなる予定なので心配しないようにと、レオンと出かける旨を簡単に手紙にしたためて置いて来ることにしていた。ソフィーは、昨日ローズがいなかったことには気づいていなかったようだった。

 ローズのいないことがばれても、レオンと一緒だとわかればそれほど騒ぎにはならないだろう。同じように、レオンもエリック宛に置手紙をすることになっていたのだが。