身代わり令嬢に終わらない口づけを

「ここが祭りの中心地だ。ほら、あそこに祭壇があるだろう」

 レオンの指さす方向を見ると、広場の中央には木で組まれた祭壇があった。

 その周りが一番人が多いが、ベアトリスらしき姿は見えない。きょろきょろとあたりを見回しているローズに、レオンは続けた。


「あの祭壇と共に、街中のかかしを燃やすのだ」

「街中の? それはすごいですね。明日の夜ですか?」

「ああ。……見てみたいのか?」

「はい」

「では、連れてきてやろう」

「え? よろしいのですか?」

 きらきらした目で自分を見上げたローズを、レオンは目を細めて見ている。