身代わり令嬢に終わらない口づけを

「お前がなにをしても、俺は絶対に呆れたりはしない。だから、一人で出てくる行動力があるのなら、もう少し素直になれ」

 そう言って柔らかい笑みを浮かべたレオンに、ローズも、ほ、と笑んだ。

「はしたない、と、いつも父に叱られてばかりです。どうか、内密に」

「すましたばかりと思いきや……案外とかわいいところがあるではないか」

「……え?」

「あ、いや……」

 レオンは、あわてて顔をそらした。耳がかすかに赤くなっている。

「そういうところも……悪くない、と思うぞ……」

「そ、そうですか……」

 つられて火照る頬を押さえながら、ローズはぼんやりと思った。


(呆れたり怒ったりしないでいてくれるのね)