「マトレ通りか。ここらじゃ一番にぎわっている通りさ! ええと、あの通りを真っ直ぐ行って……説明するのは難しいな。ちょうど俺もそっちへ行くところだから連れてってあげるよ」

「ありがとうございます」

 ほ、としてローズも微笑んだ。


 式の前で気持ちが不安定だから今日は一人でいたいの、としおらしく言うと、ソフィーはあっさりと信じてくれた。部屋にこもるから昼はいらないと言っておいたが、レオンの帰ってくる夕食までには戻らなければならない。迷っている時間はないのだ。