レオンは、特に甘いものが好きというわけではないが、ローズが菓子を食べている時は一緒にそれを食べるようになっていた。

「すみません、少し考え事をしていました。嫌いではありません」

「そうか」

 ローズは、ゆっくりとプディングを口に運んだ。

 まだなにか言いかけたレオンは、結局何も言わないまま口を閉じる。結婚式まで日がないことで気もそぞろになっていたローズは、物問いたげなレオンの様子に気づかなかった。

 お互いに何かを考え込んでいる二人の間に、ぎくしゃくとした沈黙が落ちる。