身代わり令嬢に終わらない口づけを

「あの……レオン様のお衣装も白なのですね。お針子たちに聞きました」

「そうだな。……もう、行け」

「はい」

 急にそっけなくなったレオンを不思議に思いながらも、ローズはソフィーに連れられてその場を後にした。



 ローズが行ってしまうと、その後ろ姿を見ていたレオンに声がかかった。

「ずいぶん、あの娘を気に入っているようだな」

「父上」

 様子を見ていたらしい、カーライル公爵だった。