身代わり令嬢に終わらない口づけを

「? はい」

「俺も……そう、思った。だから……」

 もごもごと口ごもるように言われて、ローズはレオンを見上げる。視線を動かした時に、レオンの手にハサミが握られているのがちらりと見えた。

 そこでローズは気づいた。


(もしかして……自分で花を摘みに来たの?)

 ローズは素直に感動した。

 レオンはちゃんと、ローズの言った言葉の数々を自分で考えてくれていたのだ。


 今までのレオンだったら、自分できれいな花だと思ったとしても、あの執事やメイドに言ってそれをローズに届けさせていただろう。

 だがレオンは、贈るための花を自分で摘みに来たのだ。自分自身の考えで。

(お嬢様。やっぱりこの人は、良い方です!)