身代わり令嬢に終わらない口づけを

 あれこれ考えを巡らせていると、視界の隅に動くものが映った。廊下を歩いていくのは、まさに今思い出していたレオンだ。エリックがついていないところを見ると、出かけるわけではないだろう。彼の歩いていく先は、確か中庭へと出るはずだ。

 少し考えると、ローズは立ち上がった。


「お戻りになられますか?」

 すぐにソフィーが近寄ってくる。部屋へ戻る、と伝えると、ソフィーは隣にいたメイドにその場を片付けるように言ってローズについてきた。

「ああ、そういえば」

 わざとらしくならないように、ローズは言った。