小さい声で言うと、レオンは一瞬驚いたような顔をしてから、はんなりと笑んだ。それを見て、ローズも、ほ、とする。

「あれは俺の本心だ。忘れないでくれ」

「はい」

 二人が出て行って扉を閉める瞬間、何かをエリックにささやかれたレオンが、顔を真っ赤にして動揺している様子がちらりと見えた。

 本当に仲がいいのだな、とローズは微笑ましくその姿を見送る。

「もう昼を過ぎています。何か召し上がられますか?」

 ローズの毛布を直しながら、ソフィーが言った。

「そうね。お願いするわ」 

「では、すぐに用意いたしますね」

 ソフィーが出て行って一人になった部屋で、ローズはぱたりとベッドに仰向けになった。