「だが……!」

「また奥様が倒れたらどうするのです。ほら、驚いているじゃないですか」

 レオンは、ベッドの上に体を起こしているローズに気づいて、心配そうな目を向けた。


「大丈夫なのか」

「はい。ご心配をおかけして申し訳ありません」

「そうか。……よかった」

 穏やかなローズの顔を見て、レオンはようやく安堵したように息を吐く。

「すみませんね、奥様。何かレオン様が失礼なことでもしましたか?」

 からかうような執事の言葉に、ローズは微かに顔を赤らめた。

「いえ」

 その様子を見て、エリックはけげんな顔をレオンに向けた。