「……あら?」

 ローズが目を覚ましたのは、自分の部屋のベッドの上だった。


「お気づきになりましたか?」

 ばたばたと動く気配がして、誰かが部屋を出て行ったようだ。ソフィーが寝ているローズを覗き込む。

「私……?」

「ウェディングドレスのご試着中に、お倒れになったのですよ。ご気分はいかがですか?」

「……ああ……」

 今のローズは、ドレスではなく薄い寝衣を着せられていた。

 倒れた理由を思い出して、またローズの頬が熱くなる。

(ああいうのお嬢様は何て言ってたかしら……ええと、そうだわ、天然とか)