「改めて、お前を娶る俺は幸せ者だと実感した。お前にもそう思ってもらえるよう、俺もこれから精進しよう」

 レオンは座っているローズに目線を合わせるように、その前にひざまずいた。

「家同士のつながりとはいえ、縁があって夫婦となるのだ。昨日お前に先に言われてしまったが、俺からも、お前を必ず幸せにすると約束する。俺は、人に倣うことなく、お前と共に歩き俺の愛し方でお前を愛すると誓おう、美しき我が妻よ」

 まっすぐにローズの目を見てそう言ったレオンは、彼女の手をとってその甲に口づけた。


 ローズ十八歳。あきらかに自分の許容量を超えるレオンの言動に、頭に血が上ったローズはふらりと倒れかける。

(な……なにが不調法者よ! これだけ言えれば立派な……)

「お、おい!」

 椅子から落ちかけたローズをあわててレオンが抱き留めるが、その腕の中でローズは気を失ってしまった。

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