南の島に戻ってきた頃には、
お日さまは西に沈みかけていました。
「かもめさん、今日はありがとう」
お礼を言うと、かもめさんは
巣のある島へ帰っていきました。
今日は今までの中で、
とても面白い日だったな。
初めて見た外の世界。
もっと色んなところに行ってみたかった。
もっと、あの男の子と一緒にいたかったな。
お日さまが西に沈むと、
今度は夜がやって来ます。
辺りは真っ暗、
わたしを照らしてくれるのは、
星たちとお月様だけ。
だんだんわたしは心細くなり、
ヤシの木の下で丸くなりました。
夜は怖い。
夜は寂しい。
やっぱりわたしは一人ぼっち。
そう思うと、だんだん悲しくなり、
涙がぽろぽろと出てきました。
誰か、そばにいてほしい。
誰か、わたしの心を暖めてほしい。
『ヤパパ。泣かないで』
どこからか、ふと声が聞こえてきました。
『ヤパパ、もう大丈夫。
もう一人じゃないよ』
誰?わたしの名前を呼ぶのは誰?
あちこち見渡しても、誰もいません。
『上を見てごらん』
言葉の通り、上を見上げると、
星たちがふわふわ、空から降りてきました。
これは一体どういうこと?
わたしが訪ねると、
星たちはこう答えました。
『君はこの島で一人ぼっち。
この"世界"でしか生きられない。
だから、ぼくらが一緒にいてあげる。
もう、君は一人ぼっちじゃないよ』
わたしはもう、一人ぼっちじゃない。
本当に?本当なの?
「本当さ、ほら体を見てごらん」
気付くと、わたしの体は光り輝き、
宙に浮いていました。
「君はもうぼくらの仲間さ。
さあ、空の上に行こうよ」
星たちと一緒に、
わたしはどんどん夜空へ昇っていきました。
雲の上を突き抜けても、
さらに星たちは昇っていきます。
わたしは下を見下ろしてみましたが、
いつもいた南の島も、今日行った島影の国も、
もう、何にも見えませんでした。

