「密着じゃなく、ただ肩貸してただけです」

「ただの同期に?」

「哀れな同期に」


桐島は、不機嫌そうな視線をこちらに寄越す。


「なら、哀れな俺にも貸せよ」


そう言うと、今泉とは反対の肩に顔を埋める。

今泉の時とは違い、トクンッと胸が高鳴る。


「あの、誰に見られるかわからないですよ」

「見られたら、困るわけ?」

「そりゃ・・・」


こんなところを見られたら、誰だって誤解する。


「今泉は良くて、俺とはダメなんだ」

「いや、そういうわけじゃ・・・」


この状況のせいか、歯切れが悪くなる。


「ムカつく奴」


肩から顔を上げ、桐島はムッとしたように顔を歪める。