未来の約束

「呆れてんだろ?」

「まぁ」

「場所なんて、どこでも良いんだよ。美香に寄り添える場所なら、どこでも」


樋口を見てると純粋過ぎて、切なくなる。

だけど同時に、亡くなった後もこんなにも想われている美香さんが羨ましい。


「次の人、見つければ?」

「バーカ。来世でも美香と出会えるように、今から美香の気を惹ておかなきゃイケないから、そんな暇ねぇよ」


来世って、バカはそっちじゃん。


「つまんない男」

「そう言うお前は、どうなんだよ。良い相手居ねぇのか?」


樋口の言葉に、桐島の顔が浮かぶ。


「その顔は、居るんじゃねぇか?」

「さぁ。でも、あたしは美香さんみたいにはなれない。彼には、自由に生きて欲しいから」

「気持ちなんて、理屈じゃねぇ。その彼が本当にお前の運命の相手ならな」


運命って・・・

どこまで、キザな男なのよ。