未来の約束

美香さんがあたしで、あたしが美香さんだったら・・・

みんなが、幸せになれたのかなぁ?


「・・・わりぃ」

「そう思うなら、尚更謝らないで」


樋口は、複雑そうな顔を浮かべる。

でも、それも一瞬のことで、「飯でも行くか」なんて、明るく声を掛ける。

それに、あたしは小さく頷く。


「支度して来るから、車で待ってろ」


そう言い、あたしに車のキーを手渡す。

それを受け取り、あたしは立ち上がった。

会計を済ませ、言われた通りに樋口の車の中で待つ。

樋口は、有名な大学病院の専門医だ。

寝る間も惜しみ、腕を磨き、医師としての地位を確立した樋口の腕を、必要とする患者はたくさんいる。