未来の約束

「だから、空けとけよ」

「・・・はい」

「仕事が終わったら、迎えに来るから」


そう言うと、桐島は車へと向かう。

助手席の窓を開け、「じゃあな」と言うと車を走らせた。

桐島の車が見えなくなるまで、見送る。

本当に、意味不明な人。

でも理解できないから、桐島のことが気になる。

何なんだろう、あの人。

桐島のことを考えたら、不思議と笑みが溢れた。

・・・帰ろう。

そしてあたしも、その場を後にした。

次の日、どこか満たされていた自分がいた。

だけど約束の時間が近づくにつれ、気持ちは沈んでいく。

もう来るの、止めようかな。

毎回思うが、今日もそんなことを思いながら足を進めた。