未来の約束

「あたしの周りにはいない人だな。とは思います。だけど嫌いになるほど、あたしはあなたを知りません」

「知らない、か」


不意に顔を上げた桐島は、とても傷ついたような顔をしている。

知らないうちに、あたしはまた・・・桐島を傷つけてしまったようだ。

無理に、フッと鼻で笑う桐島がとても痛々しい。


「・・・すいません」

「なんで、謝んの?」

「また、傷つけたかと思って」

「お前のこと諦めたら、傷つくこともねぇのかなぁ」


そんなことを問われても、どう返事をして良いかわからない。


「でもここで諦めたら、これからの人生も、ずっと後悔しながら生きなきゃイケねぇ気がする」


真っ直ぐに、射貫くようにこちらを見る。

そんな桐島の瞳から、逃げられなくなる。