未来の約束

助けたいと望む樋口に、こんなことを頼むなんて・・・

それでも、頼める人は樋口しかいない。


「約束はしてやる。その代わり、1年過ぎようとも会いに行ってやれよ」

樋口の言葉に、首を横に降る。


「約束は、1年だから」

「彼さ、お前に会いたくて仕方ねぇんだよ。それでも、お前との約束を守るために必死に耐えてる」

「・・・会ったの?」


知ったような口調で話す樋口に、あたしは問いただす。


「会った。会うなとは、言われてないからな。でも会いに行ったわけでも、彼が会いに来たわけでもない」

「どういう意味」

「彼、毎日来てんだよ。ここに」


樋口の言葉の意味を、あたしは理解出来なかった。