未来の約束

「生きてた意味を探すために、人は生きてる。そしてその意味がわかるのは、必死に生きた奴だけだ。お前はまさに今、試されてる時だろ?だから、今を必死に生きろ」

「人間って、哀れだね」

「大層な人間なんて、そうそういねぇよ」


クスッと、樋口は小さな笑みを浮かべた。


「ねぇ、あたしが死んだら・・・」

「お前は絶対に死なねぇ。死なせねぇ」

「もしもの話だよ。純粋に夢を見るって、大人には難しい。良い夢を見ると同時に、悪い夢も突き付けられるから」


眉間にシワを寄せてる樋口に、笑って見せる。


「だから約束の日の前に死ぬようなことがあったら、彼に伝えて。自由に生きてって」


あたしは、とてもズルい人間だ。