未来の約束

仕事で疲れてるくせに、嫌な顔をすることなく、ご飯まで用意をしてくれる。


「お待たせ」


パスタにサラダ、スープまで付いてる。

仕事もできて、気が利いて、終いには家事もこなす。

こんな良い男、ホントあたしには勿体無さ過ぎる。

でもね、あたしはズルい女だから・・・

そんな浩太のことを手放したくないよ。


「美味しそう」

「冷めないうちに食べよう」

「うん。いただきます」


どれも凄く美味しいはずなのに、ロクに味さえわからない。

そして喉を通るたびに、胸が締め付けられた。

これが、最後なんて嫌だよ。


「・・・美和?」

「ねぇ、浩太。話が、あるの」


フォークを置き、視線を浩太に向けることなく言葉を続ける。