未来の約束

気付けば歩みは、浩太の部屋へと向かっていた。

あたしが会社を出る時、浩太はまだ仕事をしていた。

だから、この扉の向こうに浩太はいない。

ドアに身を預ける、溢れ出す感情を必死に飲み込む。

やっと、幸せな未来が描けそうだったのに・・・

なんで?どうして?・・・今なの?

昔も今も、浩太との仲を切り裂くように病気になる。


「美和?」


名を呼ばれ、視線を向けると浩太がいた。


「連絡くらいしてくれれば、早く仕事終わらせたのに」

「ごめん」

「いや、謝らなくても良いけど。とりあえず、中入れよ」


浩太に促されるまま、あたしは部屋の中へと上がった。


「飯は?」

「まだ」

「なら、適当に作るから待ってて。俺も腹へったし」


そう言うと、手際よくパスタを作り始めた。