未来の約束

「生きてるからこそ、嫌なことも辛いこともある。だけど生きてなきゃ、その逆も味わえない。変化だけは、恐れる人間にはなるなよ」

「・・・良いこと言っただろみたいな顔、辞めてくれる?」

「良いだろ?今、すげぇカッコいいこと言ったんだから」


言ったか?

凡人には理解しにくいことを、口にした気がするけど・・・


「ほら。もう着いたぞ」


見覚えのある、一軒家が視界に入る。

盛大なため息をこぼし、樋口の後に続いて家の中へと足を踏み入れた。


「こんにちは」

「いらっしゃい。わざわざこんなところまで、ありがとうな。洋祐(ようすけ)くん」


あたしの記憶より少し老いたお父さんが、樋口のことを下の名で呼ぶ。


「美和も、おかえり」


お父さんから、ぎこちない笑みを向けられた。