未来の約束

「そういえば、今年も帰らないのか?」


不意に、樋口に問われる。


「親父さん、お前のこと心配してる」

「別に、連絡ないけど」

「お前に気を使ってるんだろ」


すべてを見透かしたような瞳を、樋口が向けてくる。


「帰ってこられても、困るんじゃない?」

「そんなことねぇよ。たまには、顔くらい見せてやれよ。安心するだろうし、きっと喜ぶさ」

「普通の親子なら、そうなのかもね。でもウチは、普通じゃない。親子関係も成立してなければ、家族としての関係も破綻してる」


すべては、病気のせい・・・


「そんなこと言うなよ」

「別に、責めてるわけじゃない。ただ何も期待してなければ、何も求めてもないだけ」


期待するから、求めるから・・・

無駄に、傷つくんだ。