我に返ったのは言い終わってすぐのこと。


あ…あたし、今なんてっ!?


「えぇ!?///」


…?


今の声…あたしじゃないよ?


確かに寺矢くんの声だった…よね?


いつの間にか、あたしに背を向けている寺矢くん。


「寺矢…くん?」


誰もいない教室。


吹奏楽部の楽器の音がBGMになって、あたしの声が教室に響く。


あたしは思いきって寺矢くんの顔を覗きこんだ。


すると、目に飛び込んできたのは真っ赤な顔。


俺様で…っていういつもの寺矢くんからは想像できない。


「見んなっ!」


寺矢くんは急いで顔を手で隠す。


そっか…。


寺矢くんもあたしと同じなんだ。


素直になれなくて…意地張っちゃう。


…違うかな?