通じあった思い

何日間、眠っていたのだろうか?
目を覚ますと、

「……」

真っ白で、消毒液の匂いがした。

「華…!」

「…お母…さん?」

「…よかった、無事で…!!」

「……私、」

「もう、5日間も眠ってたのよ!」

「5日…間も…?」

「もう、本当に…連絡もらった時は、驚いたわよ!」

「…ごめんなさい!」

「…目を覚ましてくれたんだから、いいわよ!」

「…うん…」

グッ

大気君は、どうしてる?
学校は?病気はどこまで進行してるの?

「大気君は?」

「えっ?」

「大気君は、どうして一緒じゃなかったの?」

「1人で帰りたかったから…」

「……」

「大気君のせいじゃないから…」

「…わかった。」

「…お母さん、私…」

「あなたの余命は…3ヶ月」

ドクン

「えっ…?」

3…ヶ月…?
あと、半年もあったのに?経ったの…3ヶ月?

「……っ」

ドサッ

「っ!?」

「…大気…君?」

「あっ…ごめん…っ。俺…」

「……っ!」

もう…隠し通せないよね…。

「お母さん、ごめん…」

「…!わかった」

「…ありがとう」

パタンッ

「……」

「3ヶ月って、あっという間だよね…」

「えっ?」

半年…長いと思っていたけど、もう…

「3ヶ月しかないんだね…」

「……そうだね…」

「ごめんね、言えなくて。」

「…ううん!俺…知ってたから。華が病気だって。」

「えっ…?」

「ごめん」

「じゃあ、言わなくてもわかるか…」

「うん…」

どうしても、キミに言えなかった。
嫌われるのが…キミが私の前からいなくなるのが…怖くて…
言えなかった。

「あと…好きじゃないって言ったの、覚えてる?」

ドクン

「…うん、覚えてるよ…」

「…嘘ついた。」

「…どういうこと?」

「…好きじゃないなんて嘘。本当は…」

「……っ」

「大好きなんだ!」

ドキン

「えっ…?/////」

「好きって言ったら、嫌われると思って…」

「……!」

じゃあ…私の勘違いだったの?
両思いだったの?

ポロッ

「えっ!?どうしたの!?俺、何かした?」

「ちっ…違うの…っ。嬉しくて…っ!」

「えっ?」

「私も…ずっと前から…好きだった…!好きになってた!」

「……ありがとう///」

「でも…付き合えない…」

「…病気だから?」

「…!うん…。」

「俺は…傷ついても…いいよ。」

「えっ…?」

「今、好きを諦めるより、華と幸せでいたい。華を幸せにしたい。」

ドクン

「私は…やだよ!泣いてるとこ…見たくない!」

ポロポロ

「やだよ!!!」

ぎゅっ

「っ!?」

「違うよ!幸せだから泣くんだよ!」

「……っ」

「華に大切にされてたから、泣くんだよ!」

ハッ

『大切にされたことがあるから、泣くんだよ』

私が…言ったこと…覚えてるの?
あんな…言葉を…?

「……っ!」

あなたはどれだけ…私を大切にしてくれるの?

「うっ、あぁぁ!」

「…大丈夫。俺は…離れないよ…」

「うっ…ひっ!」

「ずっと、そばにいるから、付き合ってくれる?」

「…!」

こんなの…

「うん…っ!」

その一言しかないよ…っ!

「ありがとう!」

「大…好き…だよ…」

もう、学校に行けなくても、キミがいてくれれば、それだけでいい。
もう…それ以外は…願わないから…。神様、どうか、私のお願いを聞いてください。
私が死んでも、彼を…笑わせて。
彼を…導いてあげてください。
そして、お母さんに…安らぎをあたえてください。
それだけでいい。そう…それだけで…。