ヤキモチ

『永山と、華に』

「…!笑いたきゃ笑えばいいだろう!?」

「プッ!」

ハッ

なんか…笑ってはいけないような…。

「……」

「笑わないよ!」

「ちょっと、笑ったくせに…」

ギクッ

「だって、嬉しかったし…それに…」

「それに…何?」

ドキッ

「えっと…あの…」

…ニヤニヤしやがって!!!
話そらせばいいや!

「…えっと、付き合ってあげる」

「…やった!よっしゃ!」

思った通り。
ご機嫌いいな……。

「……」

「ありがと、華」

キュン

「…別に///だけど、もう次はないからね!」

「はーい!でも…華も悪いんだぞ!」

「へっ…何で!?」

「華が永山と笑って、俺を忘れたようにしてさ!」

「…確かに…忘れてた」

「そこは、違くても忘れてないって言ってよーーー!!」

「えへへ…ごめん…」

正直…もう、よくわからない。
記憶はあるのに、なぜか…わからなくなって、記憶があいまいになる。
これも…病気の…せい?

ドクン

「華!」

ハッ

「…?大丈夫か?」

「うっ…うん」

びっくりした…。

「それで…何?」

「お母さんが、話があるって」

「お母さんが?」

ドクンッ

もしかして…病気の進行のこと?
嫌だ…聞きたくない!!!

「俺、学校あるから、また来るね」

「うん。ありがとう…」

行かないで!!!

「華…」

ビクッ

「自分でも…わかっていると思うけど…」

言わないで…?

「あなたの記憶が少しずつ、なくなってきてる」

ドクン…

記憶…が…?

「そして、余命は…2ヶ月…っ!」

…2ヶ月…?経ったの2ヶ月しか生きられないの?
それに…記憶もなくなるのに…?
嫌だよ…っ。やめて…

「…それに…あなたが怪我をしたんなら、学校は当分おやすみよ…」

怪我…?どこに…?

キョロキョロ

「手首に巻いてあるやつよ」

ハッ

これ…なの?

「……学校は…もう、行けないかもしれないわね」

「…っ!!」

そんなの…

「嫌だ!!」

「華っ!?」

「嫌だ!学校行きたい!」

わからない……。

「華、落ち着いて!」

何もかも…奪われて…なくなってしまう…。
そんなの…

「嫌ぁぁぁぁぁっっっ!!!!!」

「華…っ?」

バタッ

もう…わからない。
神様…私から…全てを…

「奪わないで…」

「…っ?!」

お願い…。大切なものを…なくさないで!!!