不良君の隣

どうして、こんなに怖い人がいるの!?
しかも…隣…!?

ガタガタブルブル

「めっちゃ震えてない?」

「無理もないよ、不良君じゃん!」

「……」

ガタンッ ビクッ

「教科書は?」

「ひっ!忘れました!ごめんなさい!!」

ぶたれる!!!

バサッ

へっ…?痛く…ない?

チラッ

「使えよ」

「…あっ…ありがとう、ございます?」

あれ…思ったより…優しい?
もしかして、本でよくあるあるのやつ!?
顔は不良並みに怖いけど、本当は優しい的な!!
絶対そうだ!!

ジッ

「…なんだよ」

「ううん、何でも…」

うん!間違いない!

コクン

フレンドリーに話しかけて、皆とも打ち解けるようにする!
完璧だ!

キラキラ

「?」

そのためには…名前呼びだ!

「…海斗君、ありがとう!」

よし、決まった!

「?何が?」

えっ…?…急に言われてもわからないか…。

「教科書…貸してくれて」

「…別に…なかったら、授業大変だろ?」

「…うん!」

ほら…やっぱり、優しいんだね…海斗君。
皆にもわかってもらいたい。
海斗君の、いいところ…。

「……っ」

ーキーンコーン

チャイムなった!よし、チャンス!
次は移動だから…

「海斗君、科学室って、どこだっけ?」

「…案内してやるよ…」

「本当!?ありがとう!」

「でも…俺でいいのか?」

「えっ?」

「俺と一緒にいたら、変な噂流されるかもしれないんだぞ」

「……」

もしかして、1人でいた理由って…
誰も傷つかせたくなかったから?それなら、私が言うことは1つ!

「大丈夫だよ!」

「……っ!?強いんだな、お前…」

「強くしてもらったんだ…」

「そっか。じゃあ、行こうぜ!」

「うん!」

パタパタ

「不良男、ちょっといいやつじゃない?」

「だよね、カッコいい///」

「っ!?華…」

海斗君のいいところを伝えたい。
笑ってほしい。

「あはは!」

「っ!!」

やっと…笑った…。

ニコッ

「っ///」

大気君、私…守りたいのが1つできたよ。
それは…

「ははっ!」

「……」

海斗君の笑顔を守りたい。
今まで、我慢していたぶん…幸せにしてあげたい。
そのことで頭いっぱいだった。
キミが、あんなことを言うまでは…

「「はははっ!」」