罪あることの荒唐

「烈刃……って。ええ!? 騎士団長の!?」

 騎士団はいくつかの隊に別れており、その全てを束ねる者が騎士団長である。

 忠義に篤(あつ)く、王から最も信頼されている人物と言われている。騎士団長は罪人を討伐しない人物であったため、ユタは今まで一度も見た事がなかった。

 黄色い瞳に彫りの深い顔立ち。引き結んだ口は、芯の強い男であると思わせる。

「あのハゲオヤジ。前からジルを目の仇にしてたから」

 自分の剣の腕を信じていたジルファリドの利き腕に、あいつは罪人の烙印を刻みつけた。ジルの自尊心を傷つけようとしたのだろう。

「底意地の悪いあいつのやりそうなことだ」

「王女。この男は──」

「ああ、このおっさんなら大丈夫。僕の家来だから」

「家来?」

 ジルファリドが顔をしかめる気持ちはよくわかる。

「今こそ、真実をお話するとき」

 気を取り直したジルファリドは、ツムに向き直り深々と頭(こうべ)を垂れた。


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