「あ、いや・・違う、」


ちがわない

見くびるなよ。お前を見て俺はプレイをするんだ。


そしてそれを理解している颯太
俺から顔を背けると「冗談だよ、悪かった。」と空笑いして授業が始まるぞと屋上から出て行く






見上げた抜ける様な空に舌打ちをひとつ
あの女・・
幼馴染だという彼女、いや彼女?とこっちが聞きたい位だ。


颯太に何を言った?

あのバスケ馬鹿はほんと馬鹿で。
バスケを思う存分やりたいからという理由で勉強も疎かにしない、素行も真面目なほどで。
呆れる俺に「でも俺、楽しそうだろ。」と屈託なく笑い

勿論プロを目指しているけれど、
でも
あと4年は俺と一緒にプレイ出来るのが嬉しいと、そんな颯太に引きずられる様に俺だって食らいついている。


勿論バスケで大学に進めば今以上に時間はない

一緒に過ごしたいとか言ったのか?
それとも将来の安定ある大学にとか言ったのか?


地味で冴えないあの女・・別に颯太が良いならどうでも良かったけれど
颯太のバスケ馬鹿なんて幼馴染なら尚更解っていると思っていたけれど


邪魔をするのか?



「一ノ瀬くーん。これ受け取って。」
夏休みだってのにバスケ部の、いや颯太を見に来る女も何人か居た。

どれだけの差し入れを貰っても戸惑う顔をして受け取る颯太。
それを特別だと勘違いして嬉しがる女達。
いつか言ってたっけな、彼女が貰わないのは駄目って言われたとか何とか

それすらも白々しく感じるわ

「彰良っ、これ飲んでーっ。」
横から貰う飲み物を飲んで返して、休憩終わりの声に戻る


そういや颯太の彼女は応援に来たの見た事ねえな・・やっぱバスケに興味ないのか?


俺だって女にそこの理解は求めてないけどよ。
でも俺が女に求めている事と、颯太の彼女はまた違うと思ってたんだけどなー・・

颯太がやってる事を遮る様な女なら


きゃーきゃーうるさくても、バスケ応援してるこいつ等のがまだマシじゃね?