いっそ、引きこもりになろうと思ったことも、何回かあった。

このまま、死んじゃえばどんなに楽だろうと思う。

私って、意気地なしだ。

勇気も、強がりも、希望も、何も言わない意気地なし。

そんなことを改めて思っていると、私の住んでいる団地が見えてきた。

灰色の、少し暗めの団地。

今の私の心の中みたいな色。

まぁ、私と違って、中はしっかりしているけど。

部屋は、B-305号室。

最上階の、一番奥の部屋。

鍵を開け、靴を脱ぎ、自分の部屋に入る。

今日も2人は仕事。

今朝、朝食を食べようと、リビングにいくと、机の上にはいつもの置き手紙。

"今日も遅いから、夕食作って食べてね。"

お父さんとお母さんの"遅くなる"は、深夜だ。

もう、書かなくていいのに、毎朝、毎朝、決まって置いてある。

制服を脱いで、シャツだけを持ち、リビングへ。

うちは狭いから、洗濯機はベランダにある。

家事は全部、私の仕事。

仕方ないとは思っているけど、そのせいで3人と遊びに行けないんだと思ったこともある。

それは、ただの八つ当たりだけどね。

今日も、夕食は、サラダにしよ。

最近は、買い物に行くのがめんどくさくて、家にある物で済ませている。

暇だからと言って、テレビをつけても、面白い物は、やってない。

スマホを見ても、3人から何か連絡が来る訳じゃない。

私は、一体何の為に生まれてきたんだろう?